ベルリンの壁崩壊25周年記念ガラ・ディナー

朝日新聞デジタル&W“世界美食紀行”に掲載した“壁崩壊25周年のセレブレーション ドイツ(1)”を読んでくださった読者の方から、「ガラ・ディナーの料理をもっと見たい」というリクエストをお寄せいただいたので、こちらでご報告します。

ガラ・ディナーの会場は、世界遺産「ベルリンの博物館島」にあるボーデ博物館。4皿で構成されたスペシャル・ディナーを手がけたのは、「レストラン ティム ラウエ」のティム・ラウエ氏(旧西ドイツのベルリン出身)と「ラインシュトッフ ベルリン」のダニエル・アキレス氏(旧東ドイツ出身)。ふたりともミシュランの2ツ星を獲得しています。

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アペタイザーは“The GDR food store was empty – again: Grandma’s garden harvest”。あっさり&さっぱり仕上げたダニエル・アキレス氏の作品。The GDRとは、旧東ドイツの通称です。

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セカンドは“Old – school luxury in the 80’s”。アジア料理にインスパイアされたティム・ラウエ氏によるひと皿。

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メインは“Modern – day Berlin ”。ダニエル・アキレス氏が手がけた牛ショルダーのブレゼ。現在のベルリンがコンセプトです。

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デザートは“My first banana”。ティム・ラウエ氏。味覚的には微妙な取り合わせですが、西側では一般的だったバナナを東側では食べられず、子どもはバナナの代わりにきゅうりをかじっていたという皮肉が込められているそう。

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ワインは、白は日本でも人気が高まっているプファルツ地方のリースリング。赤は、オバマ米大統領の訪独歓迎晩餐会で提供されて一躍知名度がアップした「シュナイダー・ワイナリー」から。

個性が異なるふたりのシェフが競演したメニュー構成や、使い慣れないキッチンで、ガラ・ディナーという性質上同じ料理を100名以上に一斉にサーブしなければならないことなど、この夜のメニューでふたりのシェフの実力を推し量ることはむずかしいけれど。

どの料理にも、東西分断時代に対するふたりのシェフの強いメッセージが託されていました。

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