なべ料理で忘年会②:そばしゃぶ専門店 武蔵野

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日に日に寒さが厳しくなるこの時期は、もうもうとした湯気が恋しくなります。だけどみんなでなべを囲むと、肉を加熱中に野菜を放り込まれて出汁の温度が下がったり、とうふを煮立てて崩されたり、食材を入れ過ぎて透明だった出汁が濁ったり、あっ!とか、ううっ!と思うことも多いのではないでしょうか。

まあ、自分たちで好きなように調理できるのが、なべ料理の醍醐味ではありますが、素人のなべとは一線を画す「プロのなべ料理」を味わいたい。そんな人におすすめなのが“そばしゃぶ専門店 武蔵野”です。

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「そばしゃぶ鍋」は主人が考案した創作なべ料理で、長野県の塩尻峠あたりに古くから伝わる「とうじそば」をアレンジしたそうです。「とうじそば」は「とうじかご」という柄のついた小さなかごに、わんこそば1杯分くらいのそばを入れ、なべにさっと泳がせて食べる郷土料理とか。

名前の由来は、囲炉裏にかけたなべに投じるから「投じそば」とか、冬至から食べ始めるから「冬至そば」など諸説あるそうですが、鴨肉や山菜といった“山の恵み”をふんだんに味わえる素朴な料理だといいます。

予約できるのはセットメニューのみ。わたしが訪れた日は、税抜き8,400円の“そばしゃぶ懐石”と7,180円の“名物 そばしゃぶ鍋”の2種類がありました。“名物 そばしゃぶ鍋”はA4等級和牛の肩ロース、鹿児島産の黒豚、フランス産の鴨肉、岩中豚のバラ肉、たっぷりの野菜、手打ちそばがセットになっています。“そばしゃぶ懐石”はこれに和牛の炙り、前菜、お造り、甘味がつきます。わたしはこちらを選びました。
予約なしで訪れ、アラカルトのメニューを注文することもできます。主人がひとりで営んでいるので、このあたりの設定はしょっちゅう変化しているようです。

メニューの肉がひと通り出た後は、季節のひと皿として、この日はイノシシやエゾジカなどジビエの盛り合わせが登場しました。いろいろな種類の肉を少量ずつ、ご主人がつきっきりで調理してくれるので、それぞれ抜群の火入れの状態で味わうことができます。山盛りの刻み野菜は、茗荷やそばの芽など香りのよいものばかり。出汁にさっとくぐらせて、シャキシャキした歯ごたえを楽しみました。

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そばは細めでしっかりとコシがありました。わたしが大好きな“翁 達磨”の高橋邦弘さんに師事したそうです。

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